星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん 筑摩書房

画像普通に、面白かったです。
肩の力が抜けた感じ。
社史にまつわる謎、恋愛、仕事、家庭、そしてオタクな生き方、
同人誌のBL小説まで(笑)けっこう盛りだくさんに詰め込まれてるのに、
それらのバランスが良くて、最後まで飽きなかった。

閑職の社史編纂室に回されて、やる気のない課長と、
やっぱり左遷組の矢田とみっこちゃんの4人で、星間商事株式会社の
社史を作ることになった幸代。士気の上がらない面々で、
どうにもはかどらない仕事なのだが課長が幸代のオタク趣味を
発見したところから、事態は動いていく・・。

幸代のオタク趣味は、同人誌。そう、BL(同性愛もの)の同人誌です。
まあ、ここらあたりは、しをんさんの独壇場で(笑)
面白いのは、この「同人誌」を作るという趣味が、この社史を作る
仕事と、知らず知らずのうちにリンクしていくところ。
過去、高度経済成長時代に、星間商事がやってきた、後ろ暗い部分が
この「自分で好きな小説を書く」という趣味がカギとなって解き明かされるという
ここにちょっと書いただけでは、まったく訳わからん・・というくらいに
常識はずれてポエジーな展開。そのあたりは、読んで頂くとして(笑)
こんな風な、社史編纂室の仕事なら、してみたいもんだと、羨ましく
なってしまった私を、どこか雇ってくれませんか(笑)

この幸代は、えらくおっとり働いて、自分の趣味に生きることが出来てますが
これは、今、段々厳しくなってきてるでしょうねえ・・。
「OL進化論」の世界みたいですが、あのマンガを読むと、まるでサザエさんを
読むかのように「こんな頃もあったよね・・」という感じがします。
現実とすれば、これは難しかろうと。段々難しかろうと。
この物語を読んで、このおっとりした世界をいいなあ、と想いながら、
現実にはないから、これが楽しいんだろうな、と。
思ってしまうのが、悲しい。
世知辛い世の中ですねえ。まったく。

ワーキングプア、という言葉が人ごとではなく、息子たちの就職が
どうなるのかと思うと、頭が痛い。考えたくないから、ちょっと逃げてますが(笑)
若い人たちが、自分らしく生きていけるような世の中になればいいのになあ・・。
お坊ちゃんな感じの鳩山さんに、それが望めるのかどうか。

・・・えっと、どこかの社史編纂室にお仕事があれば、どうかご一報を(笑)

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php

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この記事へのコメント

2010年06月03日 22:56
ERIさん、こんばんは(^^)。
あ、私も思いました。星間商事の社史編纂室なら勤まるかも~(笑)と。でもあれだ、文章力も会社に反旗を翻す根性もないとなると、無理かしらん(^_^;)。
うちは子供たちがまだ小学生なので、読んだ時はそこまで思い至りませんでしたが、確かに世知辛い世の中、こういう部署も減ってきてるんでしょうねぇ・・・。