テーマ:な行の作家

雪と珊瑚と 梨木香歩 角川書店

「滋養」という言葉があります。ちょっと古めかしい匂いがしますが、「栄養」というのとは、ニュアンスが違う。しみじみと心と体にしみ込んで、命を永らえさせるもの。弱っていたところを修復してくれるもの。そんな意味合いの言葉かと思うのですが、この物語を読んでいる間、この言葉が何度も頭に浮かびました。 主人公は、雪という赤ん坊を抱えて一人生き…
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詩の樹の下で 長田弘 みすず書房

昔から樹が好きだ。できれば、たくさんの葉が風に吹かれて音をたてるような樹がいい。実家の近くの公園に大きなクスノキがあって、朝夕にそこを通って心の中で挨拶をしながら10代を過ごした。大きな樹は、いつも何かを語りかけてくれるように想う。どんな時も、あの樹が待っていてくれると思うと、気分が沈んだ帰り道も少し元気が出たものだった。この詩集を読ん…
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僕は、そして僕たちはどう生きるか 梨木香歩 理論社

昨年、民事再生法を申請した理論社の新刊です。この本は、以前理論社のウェブマガジンに連載されていたもの。14歳、まさにYA世代に向けての問いかけの物語なのだが、その問いかけはそのまま、私たち大人にも今問われていることであり、「今」と深くリンクするように思う。物語の語り手は、コペル君、14歳。その昔、吉野源三郎氏が書いた「君たちはどう生きる…
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不思議な羅針盤 梨木香歩 文化出版局

NHKのドキュメンタリー『最後の楽園』という番組を見ながら、これを梨木さんが見てらしたら、どう思うだろうと考えていた。ブラジルのセラード。かっては日本の8倍ほどあったその大地が、人間の手によって今は東京ほどの大きさしかない。そして、そこに暮らすアリクイなどの動物たちは、日々車に轢かれる危険と隣り合わせに生きている。そこに生きる動物たちの…
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アルバトロスは羽ばたかない 七河迦南 東京創元社

この作品は『七つの海を照らす星』に続くものだったんですね。 それを知らずに読んでしまいましたが、十分楽しめました。 様々な事情がある子どもたちの為の養護施設・七海学園を 舞台にしたミステリーなんですが、なかなか凝った構成です。 学園の子どもたちが通う高校で起きた、転落事件がまずあって、 その事件を解決するべく回想される学園内で…
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『秘密の花園』ノート 梨木香歩 岩波ブックレットNo.773

梨木さんがバーネットの「秘密の花園」を読みこんだ ガイドブックです。面白い。「秘密の花園」については 河合隼雄さんも言及しておられて、その時に幼い頃 大好きだったこの本も一度読み返しているのだが、 梨木さんのナビゲートぶりにつられて、また読み返して しまった。 バーネットと言えば、「小公女」「小公子」が有名。 有名すぎ…
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レビュー 3冊

台風のせいか、数日間頭痛に悩まされた。 夏ばてもあるのかなあ・・。暑さがこう続くと、 体力がもたなくなりますね。 そのせいか、何を読んでも頭にピンと入ってこない。 冊数だけは読むのに、いまいちがっつりレビューを 書きたいと思う本に出会わない。 なので、「読んだ」という覚書程度に・・。 「小さいおうち」中島京子 文藝春秋…
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最後の七月 長薗安浩 講談社

「友情」と言ってしまっては、何だか居心地悪い。 何の衒いも気負いもなく、一緒に暮らしてきた仲間と 別れる七月が、いい感じのタッチで描かれていて、 読んでいて気持ちよかった。 小学校の時、「男子って、バカ」と思いながら、そのおふざけを ちょっと羨ましい気分で見つめていた、あの感じ。 九州のある町で、大きな工場が閉鎖になって…
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吉祥寺の朝日奈くん 中田永一 祥伝社

恋愛小説だった。 短編が5つ入っているんだけれど、どれも透明感があって 描かれている女性が、はっきりと映像を結んで魅力的。 文章は相変わらず上手い。 恋愛することで得るものよりも、失ってしまうものの方に ちょっとだけ秤がふれているのが、いい。 そして、小説に出てくる小道具の使い方が、絶妙なんですよねえ。 ありふれているモノ…
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シャボン玉同盟 梨屋アリエ 講談社 と、今日読んだ本

今日は、溜まっていた本を色々と読む。 「夏目友人帳」の9巻も出てたし。ニャンコ先生が、段々と いいキャラになってますね~。 このマンガのいい所は、「妖」という存在が、やっぱり、訳の わからんものとして、理不尽さを押しつけてくる所にありますね。 人間が、なるべく排除していきたい、日ごろ忘れようとしてる、 「理不尽」というも…
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スノウ・ティアーズ 梨屋アリエ 角川書店

梨屋さんの作品は、いつも痛さを伴っているのですが この作品は、また、いつもにも増して、痛かったです。 孤独・・と書くと、簡単に聞こえてしまう。 人間が、実は、ほんとにたった一人であるという事を、 始めから、最後まで、これでもか、というほど書いた小説でした。 主人公の君枝は、「不思議体質」。 拾ったトルソが話しかける。 …
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怖い絵3 中野京子 毎日新聞社

このシリーズも3冊目になって、これで完結だそうです。 ちょっと残念。でも、こういう形で作品を紹介していくのは 非常に労力を要する大変な事だと思うので・・。 このあたりが、ちょうどいいやめ時かもしれませんね。 素人にもわかるように、一つの絵画の背景を説明して 「歴史」という視点から、その作品に光を当てること。 そして浮かび上が…
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百瀬、こっちを向いて。 中田永一 祥伝社

中田さんのお名前は、アンソロジーで何度かお見かけしていて この本に収録されているうちの2つは、読んだことがあった。 でも、やっぱり、短編というものは、こうして一冊になることで 存在感が増しますね。それぞれの主人公が魅力的です。 収録されているのは、4編。 「百瀬、こっちを向いて。」 「なみうちぎわ」 「キャベツ畑に…
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映画 西の魔女が死んだ

やっとこの映画を見ました。 とても静かに、丁寧に語られる物語。 大切な事は、静かに語られるべきだと 私は思っているので この作品のおだやかな時間の流れが とても好ましかった。 非常に原作に忠実に、作ってありました。 梨木さんの、数々の心に沁みる言葉もそのままに・・。 これは、非常に難しいことだったと思います。 …
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西の魔女が死んだ 梨木香歩 新潮社

この物語、映画になっているんですね。 明日、見に行こうと思ってるんで、その前に読み返してみました。 やっぱり、この物語はいい。 伸びようとする新緑の匂い。「命」が繰り返して生まれてくる意味。 梨木さんの言葉は素敵です。 中学一年生のまいは、学校という場所に疲れてしまい 登校できなくなってしまう。まいの心が疲れていると感じ…
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怖い絵2 中野京子 朝日出版社

怖い絵って、面白い。 「怖い」という感情は、想像力のお友達だから。 それだけ、ここに紹介されてる絵が、想像力をかきたてる パワーに満ち溢れてる、ってことですね。 そして、その絵が描かれた時代背景や、画家について 深く知れば知るほど、その絵に対する想像力は膨らんでいく。 その道先案内をするのが、中野さんはお上手です。 ここに…
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恋人たち 野中柊 講談社

野中さんらしい、美しい装丁。 この物語に出てくる、マチスの色を思わせる「赤」です。 いいですねえ。装丁というのは物語の一部だと思うんで この神経を使った本の出来に、まず満足いたしました。 素敵な本は、いい匂いがします。 物語のメインになるのは、彩夏と大貫、恭一と舞子、という 二組の恋人たち。どちらも同居はしているけれども…
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綺想迷画大全 中野美代子 飛島新社

「綺想迷画大全」というタイトルを見た とたん、これは読まなくちゃ、と思ったんですが やっぱり正解でした。 中野さんの専門は、中国文学。 そして「シノロジー図像学」の第一人者、と言われても、 素人にはさっぱりだけれど、これは 中国学を、絵画や建築、彫刻などから 解明していく、という学問ということでいいんでしょうか。 (…
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スリースターズ 梨屋アリエ 講談社

三つの孤独な魂・・だから、スリースターズ。 読んでいる間中寂しかったんですが、読み終わると、不思議に すっきり元気になれました。マイナスがひっくり返ってプラスに なるような。梨屋さん、力作です。 お金は有り余るほど与えられているけれども、 愛情は全く与えられていない弥生。 ほとんどネグレクトで、気が向いたときにしか 親…
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怖い絵 中野京子 朝日出版社

「これまで恐怖と全く無縁と思われてた作品が、思いもよらない怖さを 忍ばせているという驚きと知的興奮である」 という前書きの言葉の通り、とても面白く読めた。 よく知っている絵もあり、初めて見る絵もあり、なのだが。 絵画は、書き手の意思を越えて、真実を映し出してしまうことがある。 その怖さを、うまく掬い取ってはると思います。 …
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チェリー 野中ともそ ポプラ社

本当は、この本を読んだことを、誰にも何にも言わないで、 ショウタのようにじっと、この優しい色の物語を心に抱いていたい。 ・・そう思わせるような、甘く優しい物語だった。 誰にも汚せない大切なもの。誰に理解されなくても抱きしめて離せない 人を愛しいと思う気持ち。生きている喜びを全身で感じて過ごしている モリーという年上の人を愛して…
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その向こう側 野中 柊 光文社

女の子の閉じ込めた思いが、淡い色彩で描かれる。 薄い水色や桃色の硝子球をたくさん転がしてできる 光の反射のよう。でも、一番大切な、濃い色をした思いは 転がさない・・転がせない。そのもどかしさと、想いを抱き続ける 甘い痛み。女の子から女になる一瞬の気だるい時間が、ゆっくり流れる。 苦くてほろ甘いビタースィートのデザートのような味…
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このベッドのうえ 野中柊 集英社

「恋」の短編集。野中さん独特の、酩酊が味わえます。 それぞれの短編の、主人公たちの、白い、柔らかな体の感触が 伝わってくるような、甘やかな雰囲気。いいな~。やっぱり、恋ですよ。 「真夜中にそっと」 春先の雪の夜に、そっと恋人に電話する・・。 これはね、離れているから、いいんですよね。 離れていても、そっと繋がっていると、…
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きらめくジャンクフード 野中柊 文藝春秋社

野中さんが大好きな食べ物について書いた本。 野中さんの本には、楽しい食べ物がたっくさん出てくる。 パンダのポンポンのシリーズ!!なんとも脱力してしまうような ポンポンくんの、のんびり、まったりした可愛さが魅力なんですが。 彼が、もう食べる、食べる・・・。絵もとてもポップでキュートなんで お腹がすいているときに見ると、クラっ…
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化物語 上 西尾維新 講談社 KODANSYABOX

西尾維新さんは、非常に若者に人気があるなあ。 ウチの長男もご他聞に漏れず、彼がすきらしい。 この間、限定の大きな本を入れるBOX?を買ってご満悦やった彼。 しかし、その付録らしき小さな冊子を洋服のポケットに入れたまま 洗濯に出して、それを発見せずに洗濯機でまわされ、跡形もなくなって しまったことに、まだ彼は気づいていない・・。…
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祝福 野中柊 角川書店

これもまた、綺麗な本。野中さんの本は、いつも装丁が綺麗です。 「あなたのそばで」に雰囲気が似てるな、と思ったんですが、内容も やはり「恋」の物語で、同じ流れの本かな、と思います。 「祝福」というタイトルのように、恋という気持ちがあふれるときの 優しさが全ての短編にある。恋か・・(タメ息)なんで、ため息やねん!! 好きな人が…
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水辺にて on the water/off the water 梨木香歩 筑摩書房

梨木さんのエッセイです。 以前にも書いたことがありますが、梨木さんという方は、エッセイを読んでも 「生活」が匂ってこない。どことなくミステリアスというか、どこまでも アカデミックというか・・。このエッセイも、水辺がテーマなんですが、 水辺を漂いながら梨木さんがたどった思索の後を追う、という雰囲気。 梨木さんは、何とカヤック…
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絶対、最強の恋のうた 中村航 小学館

とっても可愛い表紙なんである。なにしろ、お目目がはあとだし。 「絶対、最強」って、男の子が熱っぽくしゃべるときの、言い回し やね。「な、このキャラ最強やねん、て」「絶対ええって、なあ」 (何でか大阪弁)って、好きな子に必死に説明してる感じ。 その、男の子らしい熱気が伝わってくる、ストレートな愛の歌。 なんや知らん、かわいらしゅ…
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風の墓碑銘(エピタフ) 乃南アサ 新潮社

今週は更新が途切れがちですねえ・・。 いや、いろいろありまして(汗) しかし、更新に関しては、以前のように絶対毎日あげる!! とういう風には自分を追いこまないようにしよう・・とは思っています。 やはりこういうのは続けることが大切なんで・・。 自分で自分の首を絞めてしまったら、辛くなりますからね。 ・・・と、いいわけでもしとく…
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八月の髪かざり 那須正幹 佼成出版社

この本、八月のうちにレヴューを書いておきたかったなあ。 広島の、原爆のお話です。 那須さんといえば、「ズッコケ三人組」。もううちの図書館でもとても 人気がありまして、「よく読まれる本」のところに別置になっています。 長く、子ども達に愛されるシリーズを書く、ということがおできになる 那須さんは凄いですね。だって、子どもというのは…
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