テーマ:外国女性作家

少年は残酷な弓を射る ライオネル・シュライヴァー 光野多恵子/真貴志順子/堤理華訳 イーストプレス

男子の親というのは難しい。いや、難しくない人もいるのだと想うのだけれど、私にはとても難しい…というか、年々難しさに気がつく、至らぬ親である。どうも子育てには向いてないのかも、と気がついた時には出産から十ウン年が経過していた。うちは息子二人とも不登校経験者であり、どちらかというと引きこもり系なのである。不登校というありふれた問題行動ではあ…
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ジェンナ 奇跡を生きる少女 メアリ・E・ピアソン 三辺律子訳 小学館SUPER YA

ここ一週間ばかり、パソコンの調子がいまいちで、正常終了が出来なくなっていました。そこで、今日は一日何だかんだとメンテナンスをしていたのですが・・。結局「システムの復元」で、過去の状態に戻すという安易な方法を選択してしまいました。この手は時折使うんですが、便利ですよね。バックアップはパソコンでは大切です。しかし、それが人間だったらどうなの…
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ふくろう女の美容室 テス・ギャラガー 橋本博美訳 新潮社クレストブックス

昨日書いた『あの日、ブルー・ムーンと。』は、YA世代にぴったりの物語でしたが、この『ふくろう女の美容室』は、もうがっつり大人の小説です。私たちくらいの、人生のあれこれにいい加減疲れてんねん、という気持ちに、じっくりしみ込んでくる感じ。短編が10篇と、エッセイが2篇収録されていますが、一つ一つが深くてぎゅっと濃いので、いっぺんには読めませ…
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迷子のアリたち ジェニー・バレンタイン 田中亜希子訳 小学館SUPER! YA

YAという分野の中で、「傷つけた者」の罪の意識を書いた物語は、印象深い作品が多いんです。すぐに思い浮かぶのは、ポール・フライシュマンの「風をつむぐ少年」、アン・キャシディの「JJをさがして」、ソーニャ・ハートネットの「サレンダー」などですが。この「迷子のアリたち」もまた、傷つけた者を描いた物語ではありますが、先にあげた作品たちとは、少し…
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猫の紳士の物語 メイ・サートン 武田尚子訳 みすず書房

猫の物語というだけで読みたくなってしまう私ですが(笑)この本も、本屋さんでみかけて、表紙にとても心惹かれてしまったんですよ。頭に帽子?のようなものをかぶって、もくもくと煙を出している猫さんの絵が、何ともユニークでユーモアがあります。おっさんのような猫さんが、赤いリボンをして、こっちを見つめていて。思わず、話しかけてしまいそうになるじゃあ…
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スカーレット わるいのはいつもわたし? キャシー・キャシディー もりうちすみこ訳 偕成社

『音楽と人』という雑誌を時々購入します。まあ、剛さんが載ってる時、なんですが(笑)今月もライブレポが載ってるので早速買ってしみじみと読んでいたのですが・・8月号の巻頭に載っているアーティストの写真を見ると、これがもう、凄い背中一面のタトゥ(入れ墨)なんですよ。始めは撮影のためのフェイクかと思いきや、本文を読むとなんと、これが全部本物らし…
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悪童 カミラ・レックバリ 富山クラーソン陽子訳 集英社文庫

久々に、ミステリーを一気読みしました。昨日の夜から読み始めて、さきほど読了。以前、『氷姫』というタイトルに惹かれて、このシリーズの一作目を読もうと想いつつ、忙しさに挫折していたのを思い出して、さっきぽちぽちっとしてきました(笑)スウェーデンの海辺の町が舞台なんですが、住民の大部分が顔見知りのような小さな町の人間模様が詳細に描きこまれてい…
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ハートビートに耳をかたむけて ロレッタ・エルスワース 三辺律子訳 小学館SUPER YA!

この物語は、心臓移植がテーマです。将来を期待されたフィギュアスケートの選手で、16歳のイーガンが、ある日大会の競技中に、フェンスに激突して死んでしまう。そして、その心臓は、同じ10代の少女である、アメリアに移植される。その二人の少女に起こった人生の大きな変化を、運命の日の前後を含めてとても丁寧に描きだしてある物語です。家族との葛藤や、愛…
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フライ・ハイ ポーリン・フィスク 代田亜香子訳 あかね書房 YA Step

一つ前に書いた『キリエル』もそうなんですが、これもあかね書房の『YA Step』というシリーズの一冊。図書館向けの読み物セットなんですが、なかなかラインナップが良くて楽しみです。YAシリーズなんですが、あまり甘くない。この出版社によるYAものの違いは、けっこう面白いものがあります。角川も最近『銀のさじ』シリーズをたくさん出していますが、…
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キリエル A.M.ジェンキンズ 宮坂宏美訳 あかね書房 YA Step

『ローマの休日』という、有名すぎるくらい有名な映画があります。公務と慣習に縛られたプリンセスが宮廷から脱走して過ごす、黄金の一日。モノクロの映画なんですが、勝手に脳内でカラーにしてしまうくらい、ヘプバーン演じる王女様の新鮮な気持ちが伝わってくる映画でした。何度見たことか。このレビューを書くのに、つい You Tubeからまた見てしまいそ…
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真夜中のパーティ フィリパ・ピアス 岩波少年文庫

新刊ばかり読んでいると疲労が溜まるのは、私だけでしょうか。どことなく、本を読む神経が荒れてくるように思う。感覚器官の肌触りが荒くなって、繊細なところを読み落としてしまいそうになる。そんな時は大好きな作家さんの本を読みます。すると、ブラッシュ・アップ効果といいましょうか、心にしっくり馴染む言葉たちが、荒れたところを修復してくれるように思い…
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夏の小鳥たち ペネロピ・ファーマー 山口圭三郎訳 山口幸平画 篠崎書林

初版は昭和51年です。挿絵を描いている山口幸平さんの絵に、とても惹かれます。この『夏の小鳥たち』は、先日読んだ七河迦南さんの本に出てきたので、図書館の書庫から探し出してきたのですが、表紙を見た途端、「あっ!」と想ってしまいました。昔、確かのこの方の挿絵の本を読んだことがある。タイトルを思い出せないのが悔しいんですが。そんな山口さんの繊細…
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11をさがして パトリシア・ライリー・ギフ 岡本さゆり訳 文研出版

ディレクシア、という学習障害を抱える子どもたちがいます。 知的能力には全く問題が無いにも関わらず、文字が読めなかったり、書けなかったりする、そんな症状が現れます。この物語の主人公のサムは、ディレクシアを抱える男の子。その戸惑いや苦しさが、等身大に伝わってきます。その彼を、しっかり抱きしめて見つめる、周りの大人たちの暖かさが、とても印象…
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図書室からはじまる愛 パトマ・ヴェンカトラマン 小梨直訳 白水社

本を読む、というのは不思議な行為です。生まれてこの方、何十年も本を読んできて何を今さら、と言われてしまうかもしれませんが、新しい本に出会うたびに、私はその想いに囚われてしまう。と言うと何やらカッコイイけれど、、平たく言うと、私は幾つになっても子どもの時と同じ本の読み方しか出来ないんです。面白い本に出会うと、その主人公にすっかり成りきって…
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わたしの犬、ラッキー ダイアン・メイコック 若林千鶴訳 あすなろ書房

この本を読みたいと思ったのは、表紙の女の子の表情に惹かれたから。口をきゅっと結んで、谷を見下ろす少女は、ふさふさした毛並みの犬を従えている。そのワンちゃんの、こっちをちらっと見ている様子と、何かの決意を体中に漲らせている少女の背中に、「どうしたの?」と声をかけたくなったんです。 この少女は、マギー。炭鉱の町で、愛犬のラッキーと暮ら…
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ローカル・ガールズ アリス・ホフマン 北條文緒訳 みすず書房

古い本ですが、『二十歳の原点』という本をご存じですか。全共闘時代真っただ中に、若くして命を絶ってしまった 高野悦子さんの日記をまとめたもので、若い頃、随分熟読しました。高野さんは、自死を選んでこの世を去ってしまわれますが、30を過ぎてこの本を読み返した時、高野さんに、あの夜を一緒に過ごす女友達がいたら、踏切の中に身を躍らせた時のあ…
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私は売られてきた パトリシア・マコーミック 代田亜香子訳 作品社

これは、非常に辛い本です。 毎年、たくさんの・・後書きによると、年間一万二千人近い ネパールの少女たちが、インドの売春宿に売られているとのこと。 それも、たった300ドル。円高であることを考慮に入れても、たった 三万円くらいのお金と引き換えに、売られていく。 この本は、その少女たちのことを実際に取材し、自分の目と足で 確かめ…
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小説のように アリス・マンロー 小竹由美子訳 新潮クレストブックス

年末からちびちびと読んでいて、やっと読了。 上手いなあ・・としみじみ思う。小道具の使い方、 小説の中での時間の扱い方、目線の配り方。 緻密な文章。うーん。お見事。なんですが、どうも私はこの人が苦手。 何で苦手なのか、読みながらずっと考えていました。 マンローは、ほっといてくれへんのですよね。 何をほっといてくれへんかとい…
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カラス笛を吹いた日 ロイス・ローリー文 バグラム・イバトゥーリン絵 BL出版

何と言う事は無いのだけれど、忘れられない一日。 おずおずと差し出した手を、繋いだ記憶があるから。 長い間戦争に行っていた父と、久しぶりに出かけた娘の 何気ない時間を映しだした絵本です。 娘の柔らかい心に刻まれたものが、こちらに伝わってくる。 親と子だからこそ、少しずつ積み上げていかねばならない、 『信頼』という絆が歩き出す音…
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クリスマス人形のねがい ルーマー・ゴッデン バーバラ・クーニー絵 掛川恭子訳 岩波書店

クリスマスが近いですね。という事で、クリスマスにちなんだ絵本を。 この本は『人形の家』などで有名な、ゴッデンの作品。挿絵は、 バーバラ・クーニー。クーニーは、クリスマスの絵本をたくさん書いていて、 私は「ちいさなもみのき」が大好きですが、この絵本もとてもいい。 これは、小さな奇跡の物語です。 三つの寂しい魂が、クリスマスに…
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ある小さなスズメの記録 クレア・キップス 梨木香歩訳 文藝春秋

この本の副タイトルは 『人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』。 クラレンスとは、著者が生活を共にしたスズメです。 生後間もなく、自宅の前に落ちていたスズメの雛を拾った 著者が、苦労して餌をあたえ、大人にしたスズメ。 大きくなったら放してやろうと思ったスズメは、生まれつき 羽と足が不自由で飛べなかった。その為、一…
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ヒトラー・ユーゲントの若者たち 愛国心の名のもとに S.C.バートレッティ 林田康一訳 あすなろ書房

ヒトラー・ユーゲントとは、「ヒトラー青年団」のこと。 当時、ドイツでは、若い世代にヒトラーはとても人気があった。 第一次世界大戦に敗れたあと、「不安定で頼りない政府、 高い失業率、そして貧困の蔓延に苦しんでいたとき」 (本文からの抜粋ですが、うーん・・どこか今の日本と 似ています)「わくわくするような高揚感」を若者に与え、 …
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この世のおわり ラウラ・ガジェゴ・ガルシア 松下直弘訳 偕成社

この方の本を読むのは2冊目です。 前作の「漂泊の王の伝説」がとても良かったので、 期待しながら本の扉を開きました。 読み始めたら、やはり止まらず(笑) この本が、20歳でのデビュー作だったらしいのだけれど、 そう想わせないほど、力強い作品になっています。 紀元997年、フランス。 襲撃された修道院から、貴重な写本を持っ…
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消えちゃったドラゴン 魔法の森2 パトリシア・C・リーデ 田中亜希子訳 東京創元社

「魔法の森」シリーズの2巻目。 1巻目は、こちらです。 自分の頭と体をフルに使って生きていきたいタイプのお姫様で、 自らドラゴンのところに就職してしまった、規格外のお姫様シモリーン。 この巻では、もう一人規格外が登場します。 魔法の森の若き王、メンダンバーという、どこか今時の若い王様。 王様っぽい格好が苦手で、働き者だけれど…
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シャーロット・ドイルの告白 アヴィ 茅野美ど里訳 あすなろ書房

ガチガチに躾られ、「レディ」として生きることしか 知らなかった少女が、海の上で自分を解き放っていく 過程が痛快な物語。 寄宿学校の都合で、家族と離れて一人、 イギリスからアメリカへ向かう船に乗り込んだ シャーロット・ドイル。ところが、付き添ってくれる はずの家族は現れず、乗船する前から、 船長の名前を聴いただけでポータ…
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とむらう女 ロレッタ・エルスワーズ 代田亜香子訳 作品社

今年は、お葬式が多い。 うちの辺りは、なぜかお葬式というと ほとんど一社の独占市場。 そして、お葬式の司会進行というのは 同じ人がやるようで、行くたびに同じセリフと 節回しで故人が送られていくのを聴くことになる。 この年齢になると、年に数回は必ずお葬式があるので、 覚えてしまうんですよねえ・・。 お葬式というのは、残され…
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太陽の戦士 ローズマリ・サトクリフ 猪熊葉子訳 岩波書店

先日講演会に行った上橋先生の影響で(笑)サトクリフを読んでます。 サトクリフは骨太です。歴史という、大きな舞台の中で 見事に、一人の人間のドラマにスポットを当ててその真実を 描き出します。それが、読んでいて非常に気持ちいい。 いったん、物語の世界に入り込んだら、なかなか抜け出せなくなります。 この物語も、主人公のドレムが、様々…
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ジャスト イン ケース 終わりのはじまりできみを想う メグ・ローゾフ 理論社

人の運命を分ける一瞬、というのがある。 あの電車に乗っていなかったら。 あの朝、出かける時間が、ほんの数十秒ずれていたら。 ・・・私は、たまたま、サリンを乗せた電車には乗らなかった。 たまたま、神戸の街から少しはずれた場所にいた。 たまたま、自転車でこけた時に、自動車がこなかった。 だから、ここにいる。 それを、ラッキーと…
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やんごとなき読者 アラン・ベネット 市川恵里・訳 

トヨザキ社長が面白いとあげてはったのを見て 気になってたんですが。 これが、なかなかのヒットでございました。 イギリスならではのユーモアの中に、「本を読むこと」の 楽しさとか、「なるほど」と思う見識が含まれていて 笑いながら、感心してしまいました。 こういう設定の物語が書けるイギリスの伝統が面白いなあ。 設定は、「もし…
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ラウィーニア アーシェラ・K・ル=グウィン 谷垣暁美訳 河出書房新社

ドームでのコンサートが終わってから、体調悪し(笑) 年末からの疲れが、急に来た感じかなあ。 ほっとしたというか、気が緩んだのもあるのかも。 その中で、ちまちまと、ずーっと読んでいたこの本を、やっと読了。 読み飛ばせない重厚な作品でした。 この本の題材は、ウェルギリウスという紀元前一世紀の詩人が ラテン語で書いた、叙事詩だ…
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