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鳥越信先生と国際児童文学館

鳥越信先生が亡くなられた。ご冥福を心からお祈り申し上げたいと思う。晩年になって、心血を注がれた国際児童文学館があのような形でつぶされてしまったことで、どんな思いをされたかと想像すると、心が痛む。 文化や芸術というものは、成長し、実りをもたらすのに長い時間がかかる。しかし、今はとにかく費用対効果、短いスパンで目に見える・・つまり、お…
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東京本屋めぐりの旅 ③

19日(金)は、やっと快晴!再び本屋さん巡りに萌え・・・いや、燃えました(笑) まず、中央線の御茶ノ水で降りて、ニコライ聖堂へ。秋の日射しに白壁の建築が映えて美しかった。正面のステンドグラスに『太初に言あり 言は神と共にあり』とあるのが、大学と古書の街である土地柄に相応しい。 古書街を目指して歩いていると、有…
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東京本屋めぐりの旅 ②

18日は、まずシャルダンの展覧会へ。三菱一号館美術館です。ここは、建物とお庭がとても綺麗。 モノクロで撮影すると、まるでパリの街角。 前日に行った東京写真を意識してか、ちょっとアート風に撮りたい感じが見えるのが、我ながらどうかと思う(笑) ここでは、『シャルダン展―静寂の巨匠』を…
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クートラスの思い出 Souvenir de Coutelas 岸真理子・モリア リトルモア

先日、恵文社の一乗寺店に行ったときに、何となく心惹かれて手に取った一冊。ボヘミアンの画家・ロベール・クートラスの生涯を綴った本だ。表紙には、彼の描いたカルト(タロットカードくらいの大きさの、彼が何千枚も描いていたもの)が並べられている。仄暗い闇の中から、滲んでくるようなものを感じて、とても心に響いたのだ。 クートラスは、一生をアー…
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世界の夢の本屋さん Wonderful Bookstore of the world エクスナレッジ

言うまでもなく、本屋さんが大好きです。本屋さんは、出逢いの場所。確かにそこにある本の放つや気配、匂いのようなものを感じたり、ひそやかに語りかけてくる声にじっと耳を澄ましたりするのは、至福の時間です。いい町には、いい本屋さんがあるというのは、私の自説ですが(笑)この本は、いろんな国の、うっとりするような本屋さんを実際に訪ねたレポートで、も…
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おいで、一緒に行こう 福島原発20キロ圏内のペットレスキュー 森絵都 文藝春秋

私のパソコンのお気に入りには、犬や猫の保護活動をしてらっしゃる方のブログがたくさん登録してある。殺処分されそうなワンちゃん、猫さんを受け出しては、必要な治療やしつけをして里親を探す。捨てられている猫さん、野良さんを保護し、病気を治し、避妊させて新しい家族のもとに送り出す。医療費、えさ代、猫砂やペットシーツ、交通費、譲渡会などの運営と、お…
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夢の操縦法 エルヴェ・ド・サンドニ侯爵 立木鷹志 国書刊行会

自分の想いのままの夢を見ることが出来たら、どんなにいいだろう。夢で、好きな人に逢えたり(邪念が見え隠れしますね・爆)現実では出会えないような美しい、不思議な場所に行ったり・・・などということは、誰でも考えることだと思うんですが、その方法について実際に訓練して実践までする人は、あまりいないのではないでしょうか。しかし!それを、至極真面目に…
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雪と珊瑚と 梨木香歩 角川書店

「滋養」という言葉があります。ちょっと古めかしい匂いがしますが、「栄養」というのとは、ニュアンスが違う。しみじみと心と体にしみ込んで、命を永らえさせるもの。弱っていたところを修復してくれるもの。そんな意味合いの言葉かと思うのですが、この物語を読んでいる間、この言葉が何度も頭に浮かびました。 主人公は、雪という赤ん坊を抱えて一人生き…
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きのう何食べた?6 よしながふみ 講談社

筧氏が、ますますオバちゃん化・・・いや、おっさんオバちゃん化している(笑)おばちゃんは、お弁当を新聞紙では包みませんから~~!あ、でも、お弁当の仕切りをアルミホイルっていうのは、可愛い仕切りを買い忘れたときにやるかもしれない。(やるんかい!)だって、男子のお弁当を可愛く作っても、誰も感動してくれないもん。見た目より、量なんよね。そして、…
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まるごと日本の季節 学研もちあるき図鑑 学習研究社

最近、図鑑や事典が再び人気のようです。その気持ち、わかります。人気の原因は、「所有感覚」にあるんじゃないかな、と想います。コレクションの喜び。美しいものを心に刻む喜び。図鑑や事典を一冊持つことで、私たちはある秩序をもって整えられた引き出しを手に入れる。この世界の一部を手に入れることが出来る。先日読んだ『異性』という本の中で、穂村弘さんが…
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氷山の南 池澤夏樹 文藝春秋

少年(正確に言うと、少年と青年の間ぐらいか)を主人公にした、成長・・ではなく、教養小説です。なぜ成長ではないかというと、この物語の主人公JINには、成長痛がないから。彼は感じ、学び、受け取り、貯めこんだ分、みごとに広がっていく。子どもと大人の境目にいる年齢の青年が、ある特殊な環境の中に放り込まれることで、そこにいる大人たちからたくさんの…
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詩の樹の下で 長田弘 みすず書房

昔から樹が好きだ。できれば、たくさんの葉が風に吹かれて音をたてるような樹がいい。実家の近くの公園に大きなクスノキがあって、朝夕にそこを通って心の中で挨拶をしながら10代を過ごした。大きな樹は、いつも何かを語りかけてくれるように想う。どんな時も、あの樹が待っていてくれると思うと、気分が沈んだ帰り道も少し元気が出たものだった。この詩集を読ん…
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無菌病棟より愛をこめて 加納朋子 文藝春秋

加納さんが、急性白血病で闘病してらっしゃることなど、何一つ知らず・・・。この本も頁を開くまで小説なのかと思っていたのでした。何と、2010年の6月から、ずっと闘病してらしたらしい。これは、その闘病の記録です。 病院嫌いで、何でも寝て治す派だった加納さん。仕事に、家事に、PTAに、自治会の仕事に、バタバタ走りまわる毎日。この年代の、…
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ある一日 いしいしんじ 新潮社

命が生まれる特別な一日を描いた小説です。いしいさんの筆が、父になった誇らしさに満ちてます。もちろん、生まれてくることは喜びだけではなくて、不安とか、畏れとか、悲しみとか、そんなものと一緒に生まれてくるのだけれど。出産という特別な一日から広がる時空が、全ての命と繋がっていく様子が、何ともドラマチックで輝きに満ちてるんです。いしいさんの物語…
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もうすぐ絶滅するという紙の書物について ウンベルト・エーコ ジャン・クロード・カリエール 

このタイトルがいい。紙の書物が「もうすぐ絶滅するという」ことを、この世で一番信じていない二人の対談にぴったりだ。私も、この世界から紙の本が無くなる、ということを全く信じていない一人なのだけれど、この本を読んで、ますますそう思った。 この二人の碩学―ウンベルト・エーコと、ジャン・クロード・カリエールは、奇稀本と古書の収集でも有名らし…
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京都でお花見&一条寺恵文社

今日は京都に、本屋と桜の小さな旅に行ってきました。そう、本屋さんがメインです(笑)友達と、ずっと「行きたいね」と話していた、一乗寺の恵文社さん。今日は絶対行くぞ!と、観光客でごったがえす京都駅からバスに乗って、熊野神社のあたりでふと「平安神宮さん、行こか!」といきなり決断(笑)しだれ桜を堪能してきました。平安神宮さんは神苑が見事なんです…
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春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと 池澤夏樹 中央公論新社

この本を読んで色々考えているところに、京都でおこった怖ろしい事件の報道を聞いた。まだ詳細はわからないのですが、8人の方が亡くなったとか・・。理不尽という昏い穴は、私たちのすぐ横にぽっかり口をあけているのだと、こういうことがある度に思い知らされます。しかし、思い知らされることと、納得することは違います。どこに納得できないのか・・昨年私たち…
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相田家のグッドバイ 森博嗣 幻冬社

これは家族の物語です。殺人も、事件も、何にも起こりません。相田家という、昭和を生きた、ごくごくまっとうな、真面目な家族の日々を、淡々と綴ってあるだけ。でも、これがもう、見事にミステリーなんですよ。それぞれの家庭は、それぞれの価値観で出来ている社会の最小単位で、いわば密室。「家」というハコに入ってしまうと、そこでどんな会話が交わされ、どん…
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それでも三月は、また (アンソロジー) 講談社

日米英同時刊行の本です。3月11日を、日本の作家たちはどう捉えたのか、ニュースやインターネットとは違う方法で、それを伝えたいと編まれたアンソロジーです。 ニュースや、ネットの情報は、流れ去ってしまう。ツイッターもそうです。どんどん流れてあっという間にどこかに消えてしまう。でも、詩や小説は、何か大きなことが起こってもすぐに生まれてく…
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個人はみな絶滅危惧種という存在 彫刻家・舟越桂の創作メモ 集英社

目にするたびに、何故か気になる存在だった舟越桂さんの本を見つけた。木の手触りをそのまま残しながら、どこかいびつだったり、異形だったりする舟越さんの彫刻たち。彼らは、一心にどこかを見つめているように見える。見ているのは私なのに、なぜか見られているような気がして、ぎょっとする。わかりやすい美しさではない。生々しい肌理と、みっしり詰まった体躯…
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ゴランノスポン 町田康 新潮社

今夜はこれを読んで、町田さんに、ズバっと斬られてしまったのである。ほんとに気持ちよく、心の底から斬られてしまった。読み始めは、何やら可笑しいのである。あらあら。やあねえ、そんな事まで書いちゃって、ねえ・・と想っているうちに、それぞれの短編から、蓬髪の町田侍が駈け出してきて、この時代と自分がいろんな顔して纏ってる嘘や、ええかっこしいなとこ…
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町かどのジム エリノア・ファージョン 松岡享子訳 学習研究社

少しずつ、古い作品などもきっちり読んでおきたいなあと思ってます。児童書やYAを好き勝手に眼につくままに読んできただけなので、体系的な視点に欠けるし、時代と作品との関係などの知識も希薄だし。勉強不足この上ない(汗)ということで、まずファージョンかな、と少々勉強気分でこの本を読んだのですが。何のことはない、ファージョンの自由で暖かい日射しを…
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ふくろう女の美容室 テス・ギャラガー 橋本博美訳 新潮社クレストブックス

昨日書いた『あの日、ブルー・ムーンと。』は、YA世代にぴったりの物語でしたが、この『ふくろう女の美容室』は、もうがっつり大人の小説です。私たちくらいの、人生のあれこれにいい加減疲れてんねん、という気持ちに、じっくりしみ込んでくる感じ。短編が10篇と、エッセイが2篇収録されていますが、一つ一つが深くてぎゅっと濃いので、いっぺんには読めませ…
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あの日、ブルームーンに。 宮下恵菜 ポプラ社

とっても愛らしくて切ない初恋の物語でした。主人公の女の子が可愛いんだなあ、ほんとに。まっさらの心が、初めて感じる、「好き」という気持ちに色づいていく。女の子なら・・・まあ、私なんぞはウン十年前の女の子ですが(笑)だからこそ余計に、このピュアさが愛しい。誰かを好きになるって、いいよなあとしみじみ思ってしまう物語です。こんなおばちゃんがそう…
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おかしな本棚 クラフト・エヴィング商會 朝日新聞出版

これはもう、本好きにはこたえられない。特に、作家さんなど本に関係するお仕事をされる方の本棚に、興味しんしんの、私のような輩にとっては、猫にかつぶし状態で何度も何度もこの中におさめられている本棚の写真を眺めてうっとりした。クラフト・エヴィング商會というのは、吉田浩美さん、吉田篤弘さん、という多才な御夫婦のユニットです。それだけに、本たちに…
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「絵のある」岩波文庫への招待 坂崎重盛 芸術新聞社

岩波文庫は、昔とてもお世話になりました。何故かというと、私が住んでいたところには、図書館が近くになかったからです。市内に一つだけある図書館は、なぜか山のきつい坂の上にありました。もう、自転車を必死で押して登らなけらばいけないくらいの坂の上。その分、帰りは物凄いスピードが出るんですが、それがあだとなって、小学校時代のある日、同級生が図書館…
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野良猫ケンさん 村松友視 河出書房新社

猫もの第3弾・・って、猫ブログじゃありませんからっ!(笑) 村松さんとこの猫さんと言えば、有名すぎるほど有名なアブサン。彼は、21歳で大往生を遂げた。ほんとに大事にされてたんですよねえ・・・21歳って、ほんとに長生きですもん。彼の大往生には泣きました。あれから、猫が飼えない村松さんと奥さんの気持ち、わかるなあ・・。 でも、ここに綴ら…
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死ぬ気まんまん 佐野洋子 光文社

「命とお金を惜しむな」というのが、若くして亡くなった佐野さんのお父さんの訓示であった。佐野さんは、その通りに生きた。子どもの頃に、ころっと死んでしまった兄や弟たちを見ていた佐野さんは、「死んでしまった人の分も、長生きしよう」などとは考えなかった。そこが、佐野さんが常人とは違うところである。震災のあと、言葉を失っていたときに、一番心に響い…
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どこ行くの、パパ? ジャン=ルイ・フルニエ 河野万里子訳 白水社

「どこ行くの、パパ?」フランス語の原題は、[Où on va, Papa?]。 これは、作者のフルニエ氏の息子であるトマが、車に乗るといつも繰り返した言葉。フランス語で読んでみると、それが幼い子にはとても発音しやすい音だということがわかります。何度も何度も口の中で繰り返していると、この言葉が不思議な音楽のように聞こえてく…
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池澤夏樹の世界文学リミックス 完全版 河出書房新社

この河出書房から出ている、池澤さん編の『世界文学全集』が欲しいと、おっきな本屋にいくたび思う。私は昔から、けっこう全集系が好きなのだ。しかし、一番の難点は置き場所。どの巻も気合が入って分厚いこの全集、全30巻をどこに置くねん、と考えるとなかなか手が出ない。でも、やっぱり欲しい!と、この本を読んでまた悩む(笑) 池澤さんが、その全集…
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